【台東区】アーティストから愛される「蔵のギャラリー」ギャラリーエフで歴史探訪!150年前にタイムスリップ!
ギャラリーエフは、1998年に国から有形文化財登録を受けた、江戸から明治に変わる時代に建てられた蔵です。
外観からだけでは、一見普通のビルのように見えます。
中もおしゃれなカフェのようですが。。
このカフェの奥に慶応4年に建てられた蔵があります。蔵からカフェ側を見るとこんな感じです。
蔵の一階部分の様子です。高座のしつらえは、ここで落語会が開かれることがあるからだそうです。黒い漆塗りの床とのコントラストがモダンです。落語の他にも展示会や演奏会など様々な催しが開催される場所として愛されています。広さは30人も入ればいっぱいになってしまう程ですし、文化財ですから、様々な制約を受けるのでしょうが、それでもこの場所で自分の作品を発表したいという作家さんたちが後を絶ちません。
柱は全て檜で作られているとのこと。
現在は、一箇所だけ、わざとガラス張りにして、蔵の壁の構造が解るようになっています。
組まれている部分に使われている紐は棕梠縄だということです。このように木材で格子状になった作りを小舞と言い、空いている貫の部分に土を入れて土壁作るのだそう。
2階のお部屋にも案内していただきました。天井部分の梁は波打つよう。圧倒される迫力です。
そして下から見上げると作られた年が記載されていました。暗いですが、慶応という文字が確認できます。
この建物は、関東大震災や東京大空襲の時も被災を免れた強靭な蔵だということです。下は東京大空襲の時、浅草の松屋から撮った写真だそうです。左下から右上に伸びる道が雷門通りです。大きな建物の直ぐ脇の通りが仲見世通です。被害の壮絶さがわかる写真です。
江戸通りと国際通りが交わる前の少し手前に見える白い建物が、現在のギャラリーエフです。
土壁であることが被災を免れたのだそう。
一見しただけで、このような穏やかなカフェの内部に、このような秘密の蔵があることはわかりません。歴史ある蔵の中はタイムスリップするような不思議な感覚でした。お話の上手なオーナーに直々に案内していただきました。まるで映画の一作品を見終わったかのような貴重で濃い時間でした。ありがとうございます。
このような歴史ある建物が2021年で消えてしまうのは残念でなりません。この建物が浅草からなくなる前に、この場所で流れて行った150年余りの歴史を旅してみてはいかがでしょうか。きれいな看板猫のすずのすけもお待ちしております。
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